おしりあつめたっていいじゃない

学生時代全力でスルーしていたジャニーズに今更ハマってビビっている社会人

V6を好きになって良かった

結局のところ、私は『V6』になりたかったのだと思う。

 

幼い頃、美少女戦士になりたかったし、猫型ロボットと友だちになりたかったし、とにかく色んなアニメの中にいる強くてかっこよくてキラキラした人たちになりたかった。

 

物語だってことはちゃんと分かっていたけれど、彼らはしっかりと私の中に根付いたリアルだった。

こんな風に自分もなりたい。彼らは私の『憧れ』だった。

 

大人になって、凡人な自分を痛感して、社会の荒波に揉まれて、ツライシンドイモウラクニナリタイ。

そんな時に出会ったのが『V6』だった。

 

画面の向こう側の彼らは、とても楽しそうで笑顔が輝いていた。

V6を見ている時間だけは現実のことを忘れられた。

 

素敵な仲間がいること。

和気あいあいと時間を過ごすこと。

大人ぶらなくていいこと。

楽しくはしゃぐということ。

仕事はきっちりすること。

とことん納得いくまでこだわること。

おもねらないこと。

誰かと息を合わせるということ。

個性を殺さないこと。

お互い分かり合うこと。

自分のペースを大事にすること。

成長し続けるということ。

目の前の人を笑顔にすること。

キラキラと輝くこと。

たくさんの人に愛されること。

たくさんの人を愛すること。

 

彼らは本当に多くの魅力を持っていて、私は彼らに熱中した。

彼らが同じ次元に存在するってことはちゃんと分かっていたけれど、『V6』の物語はあまりに私の理想すぎた。

彼らが私と同じ生身の人間だからこそ、私が歩む人生が凡庸だからこそ、その輝きが如何に尊く稀有なものかがよく分かった。

 

V6は大人の私の前に現れた『憧れ』だ。

彼らは私がなりたかった『理想の自分』なのだ。

 

夢中になってV6の物語に没頭した。

彼らが何かを成し遂げる姿を見守ることで、その輝きを疑似体験したような心地だった。

 

だからこそ、彼らを見送らなければならないことがこんなにも辛い。

劇中劇のように、私の物語の中に『V6の物語』がびったりと癒着していて、半身を捥がれるような気持ちになっている。

 

彼らの決意を否定したいとは一度も思っていない、し、否定できるものでもないと感じていた。

私は彼らの真っ直ぐ前を見つめる視線に憧れたのだから。考えに考え決めたことを他人に左右されて翻すような存在であってほしくない。

変わり続ける、挑戦し続けるという姿勢も尊敬している。

 

だから、見送るしかない。

次のステップへ進むV6の背中は確かに私が憧れたものだから。

 

2021/11/1にV6は26周年を迎えた。

27年目のアイドル。

 

アイドルの人格をあえて擬人化するとしたら、今のV6は27歳の青年だ。それぞれの入所で考えるとざっくりアラサー。

むしろ、その歳まで実家で家族と暮らしていたと考えると、ここにきて独り立ちするのも頷ける。

その歳まで実家暮らしならずっと実家に居ればいいじゃないと思う私もいる。けれど、一度も家を出たことのない人が、今が独り立ちする最後のチャンスかもしれないと思う気持ちは痛いほどよく分かる。

 

3/12の発表を聞いて「演劇の神様が剛くんを連れていってしまう」のだと思った。

けれど演劇の神様からしたら「これでもかなり待ったんだけど?」と苦笑いかもしれない。

 

26年間、V6はアイドルだった。

それがどれほどの重みか。その積み重ねてきた膨大な時間を、今彼らは大切に仕上げようとしている。

もしかしたら、彼らはこれまでの時間をおざなりにしたくなかったのかなとも思った。

きっとV6にとっても『いいじゃん、これ』っていうV6の形があったんだと思う。だからこそ、いつの間にか妥協して、騙し騙し時間を重ね、気が付いたら形骸化してる、なんてV6を彼ら自身が見たくなかったんじゃないかな。なんて。

最新が最高、そうであるうちにスッパリ幕を引く潔さがV6らしい美学だなって思った。この形は正しさではなく、彼らの美学。

彼らは6人でスポットライトを浴びて歌って踊ることを至上としたアイドルなんだ。

 

アイドルのV6と出会わせてくれてありがとう。

こんなに素敵な人たちがこの世にいるのだと知れたことは、私の支えで励みです。

かっこいい大人でいてくれてありがとう。

こんな人たちみたいになりたいとその背中を追いかけたから、前よりも少し強くなった私がいます。

ファンをたくさん愛してくれてありがとう。

私もそんな風に周りの人を慈しんで大切にできる人になりたいです。

 

V6の家族写真、最高だなって思った。

バラバラの衣装なのに、妙にしっくりくる。

どんな集まりだよって感じなのに、みんな自然体で楽しそうな笑顔を浮かべている。

きっと、彼らは手の触れられない距離をそれぞれ歩いていても、寂しくならないくらいお互いを傍に感じているんだろう。

 

ファンにもたくさんの思いをくれた。

寂しくないよって、いつでも傍にいるよって、宥められた。

V6がくれた感情や記憶は、時系列に埋もれていくものじゃなくて、ずっと歩み続ける私の今と共にあるものなんだと思うことにする。

 

私は最高の時間が確かにあることを知っている。その確信は不可逆で、永遠のものだ。

 

ずっとずっとV6が大好きです。